ビリビリ!
あ、嫌な予感がする。あ〜やっぱり…
お札が破れてしまったら切ないですよね。それが高額紙幣であればなおさらです。お札が破れてしまった場合はどうすればいいのでしょうか?お札の価値は残っているのでしょうか?
今回は、お札が破れてしまった場合の対処法や使える基準、交換する方法などについてまとめてみました。
記事の目次
お札が破れた時の対処法と使える基準
そもそも、お札が破れた時の対処法なんて授業で教わるわけでもないですし、知らない方も多いのではないでしょうか?
ここではまず、破れたお札に対してどのように対処すれば良いのか、そして破れてしまったお札がどの程度の状態であればそのまま使用できるのかということに関して、解説していきたいと思います。
基本は日本銀行で交換してもらう
お札が破れてしまった場合は基本的に、日本銀行で交換してもらうと覚えておきましょう。ちなみに日本銀行法という法律には、以下のような条文があります。
第48条
日本銀行券の引き換え日本銀行は、財務省令で定めるところにより、汚染、損傷その他の理由により使用することが困難となった日本銀行券を、手数料を徴収することなく、引き換えなければならない。
※電子政府の総合窓口のHPより引用
後半の文章を見ていただければお分かりの通り、紙幣の交換は、日本銀行の義務でもあるのですね。
え、ちょっと待って。日本銀行って都内にしかないんじゃ…
そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。何を隠そう、恥ずかしながら私がそうでした…。
ところが心配は要りません。各都道県とはいかないまでも、日本銀行は全国にあり、32の支店と14の事務所で受け付けてもらえます。県庁所在地や大きな街にあることが多いので、まずはホームページで最寄りの日本銀行を検索してみましょう。※日本銀行HP(受付時間:平日9時〜17時(祝日や年末年始を除く))
ちなみに事前の予約などは必要ありませんが、あらかじめ一本電話を入れてから訪問した方が、スムーズに対応してもらえることを付け加えておきますね。
汚れや破損が軽度の場合は、交換せずにそのまま使用できる
紙幣の劣化には色々なパターンがあります。
ボロボロに汚れてしまった。少しだけ破れてしまった。洗濯機の中に入れてしまった。ちなみに私は、カバンの中に入れていたペットボトルに穴が空いており、財布ごと万券をビショビショにしてしまったことがあります。
なんだか諭吉殿に睨まれているような気がしたため、すぐに財布から抜き出して自然乾燥させ、その後無事に使うことができました。
また、少し破れた程度であれば、セロハンテープで補修したものを使えるというケースもあります。
このような場合は、コンビニやスーパーなどで渡してみるのがオススメ。自販機やATMなどの機械に入れて、万が一詰まってしまった場合はかなり手間になってしまうと思うので。
お札が破れた時の交換できる場所
さて、先ほどお札の交換場所として日本銀行を紹介しましたが、日本銀行以外でも、お札を交換できる場所があります。
ただし、基本的には日本銀行法の条文に記載があるように、紙幣の交換は本来、日本銀行の業務に該当するため、他の銀行においてはあくまでもサービス業務に該当することを覚えておきましょう。
日本銀行の他、各銀行において交換することができる
そうはいってもお札が破れてしまった方の中には、日本銀行へのアクセスがよくない方もいるかと思います。
そんな場合は、日本銀行以外の銀行にお願いしてみてください。日本銀行と同様に、無料で紙幣の交換に応じてくれます。
手続きはさほど複雑ではなく、両替用紙に氏名、電話番号、交換する紙幣の額などの必要事項を記載し、提出するだけです。
免許証(身分証明書)や印鑑を求められる場合があるので持参していきましょうね。ちなみに口座入金か、現金渡しのいずれかを選ぶことができます。
紙幣の損傷が著しい場合は、日本銀行へ
日本銀行以外の銀行で紙幣の交換を依頼した場合、紙幣の損傷が著しい場合は、交換が可能かどうかの判定をするために、各銀行から日本銀行に鑑定を出すことになります。
要は、それなら自分で日本銀行へ直接行った方が早いというわけですね。
どの程度の劣化で鑑定が必要になるのかについては、最終項で詳しくみてきますので、そちらを合わせて参照してみてください。
郵便局では交換できない可能性が高い
「あ〜うちではやってません」
こんな具合でピシャリと断られる可能性が高いのが郵便局です。
せっかく来たのになぜ?と言いたくなるかもしれませんが、本来紙幣の交換は、郵便局の業務に該当しないので、あまり文句は言えなさそうですね。
実際、ゆうちょ銀行はもともと郵政省の管轄下にあり、平成19年に民営化された際、お札の引換業務を法令に盛り込まれていないという経緯があります。
このことからも基本的には、郵便局における紙幣の交換は難しいと考えておく方がいいでしょう。
お札が交換できる破れ方と交換できない破れ方
ここまでを見てきて気になるのは、お札がどんな状態でも交換してもらえるの?ということではないでしょうか?
結論を言うと、お札の状態によっては、日本銀行においても交換ができないというケースがあります。そこでここでは具体的に、交換が可能かどうかの基準について詳しく解説していきます。
お札の面積をチェック!目安となる基準3パターン
紙幣が破れてしまったらまず、残っている面積を確認してみましょう。実は残っている面積によって、交換できるかどうか、そして戻ってくる額が異なるのです。
- 紙幣の面積の3分の2以上が残っている場合
→全額を交換してもらえます。セーフ!といった気持ちですね。 - 紙幣の面積の残りが、5分の2以上、3分の2未満の場合
→紙幣の半額を引き換えしてもらえます。助かったような、少し切ないような… - 紙幣の面積の残りが、5分の2に満たない場合
→紙幣としての価値がないとみなされ交換不可能。諭吉さんなら泣けます。
基本は以上の基準に則って、判断が下されます。それでは次に、こんなパターンならどうなの?と思われがちなケースを一つずつ紹介していきましょう。
濡れてしまった場合や、溶けてしまった場合
先ほど私の体験談を少しお話しましたが、濡れてしまった場合でも、きちんと乾燥させれば使うことはできます。
ただし、乾いた後、お札が縮んでしまうことも考えられますよね?この場合においても、前述の面積の基準を当てはめていきます。縮んだお札の面積が3分の2以上であればきちんと全額が戻ってくるということですね。
もちろん、お札の一部が水で溶けてしまったり、破れてしまっていたとしても同様の考え方が可能です。
あやまってシュレッダーにかけてしまった
背筋が凍りつくとはまさにこのような瞬間のことを言うのではないでしょうか?
物事の判断がつけられない子供があやまって、お札をシュレッダー行きにしてしまうこともあるかもしれません。
これについてですが、シュレッダーの種類によっては交換が可能な場合があります。
たとえば、線状に切るタイプのシュレッダーで、それぞれをつなぎ合わせることによって、同一の紙幣であると判断ができる場合は交換が可能です。ただし、照合にかなりの時間がかかることを覚悟しておきましょう。
バラバラに裁断してしまうタイプのシュレッダーであれば、潔くサヨナラを告げるしかないでしょうね…。
紙幣が燃えてしまった
火災の他、あやまってライターやマッチの火などが、紙幣に移って燃えてしまった場合はどうでしょう?
このケースでも同様に、面積の基準を当てはめることができます。紙幣全体が燃えてしまった場合でも、お札だと鑑定ができるのであれば、交換が可能なこともあるようです。
ただしこれはかなり稀な事例であり、基本的には灰になってしまったら交換ができないと思っておきましょう。
破損が酷いものは、交換に時間がかかる
キレイに真っ二つといったわかりやすい場合には、日本銀行以外の銀行において、ものの数分で交換してもらえることがほとんどですが、3つ以上に分かれている場合や、それ以上にバラバラになっている場合については日本銀行の管轄となる上、鑑定に1〜2週間ほどの期間が必要となります。
全てのケースにおいて、即日対応してくれるわけありません。
紙幣だけでなく、貨幣の交換もできる
こちらも非常にレアケースではありますが、火災によって巻き込まれた貨幣が、溶けてしまう可能性なども考えられます。
ちなみに貨幣に対しても、紙幣と同様に交換の基準が定められているのです。貨幣の場合は面積ではなく、残っている貨幣の重さが選定の基準となります。
- 重さが正規の2分の1以上→全額交換可
- 重さが正規の2分の1未満→交換不可
半分が残っていれば、きちんと全額返ってくるんですね。
ちなみに阪神淡路大震災や東日本大震災の際、火災や津波でグチャグチャになってしまったお金を、日本銀行の呼びかけもあって、たくさんの人々が交換をしているというお話もあります。
東日本大震災のケースに至っては、たったの1ヶ月で約10億円ものお金が交換されたとのこと。持っている紙幣や貨幣に何かがあっても、諦めずに交換してみることが大切ですね。
交換をお願いする際のマナー
紙幣の交換が日本銀行の業務であり、面積や状態によっては交換ができるといえど、やはり交換をお願いする際のマナーを忘れてはいけません。
- 破れてバラバラになってしまった場合は、セロハンテープなどで貼り合わせる
- 濡れてしまった紙幣は、乾燥させてから持参する
- 付着物は可能な限り、取り除いておく
以上のことは、交換をスムーズに進める上でも大切なことです。
交換をお願いされた側が気持ちよく業務に当たれるよう、ちょっとした気遣いを心掛けるようにしたいですね。
まとめ
お札や貨幣に破損があった場合は、しかるべき準備を整えた上で、基本的に日本銀行へ持参するようにしましょう。
距離や時間の都合がある場合は、その他の銀行に依頼をしても問題ありません。
紙幣の状態によっては、交換にある程度の期間が必要となる場合もあるので、日頃からお金の管理には十分に気をつけておきたいですね。