審査がなく、銀行口座に残高さえあればキャッシュレスで利用できるデビットカード。支払いの先送りをしたくないということから、クレジットカードよりもこちらを愛用している方も多くいます。
実は、デビットカードをよりお得に使う方法があることをあなたはご存知ですか?
選択するデビットカードの種類や活用方法によって、得られるメリットは大きく変わってきます。今回は、デビットカードのお得な使い方について紹介していきますよ。
記事の目次
デビットカードの基本的な仕組みと使い方
クレジットカードの方がポイント還元率が高いということもあり、デビットカードをメインにしている人はまだまだ少ないかもしれません。
「そもそもデビットカードって何?」という方もいることでしょう。
ここではまず、デビットカードの基本的な仕組みやその使い方について解説していきます。デビットカードの知識をちょっと深めるだけで、その価値に気付けるかもしれませんね。
デビットカードはキャッシュレスでとにかく便利
デビットカードはキャッシュレス?じゃあクレジットカードとどう違うの?
そう思われる方もいるかもしれません。両者の違いは支払いのタイミングです。
クレジットカードは請求が翌月になることが主ですが、デビットカードの支払いは決済したその瞬間、デビットカードに付属した銀行口座から即座に引き落としがされます。
つまり、クレジットカードのように使いすぎてしまうことがありません。クレジットカードの最大のデメリットになりうる「決済のしすぎ」を防いでくれるのが、デビットカードの良いところなのです。
もちろん、支払いがお手軽かつスムーズであることは、クレジットカードと変わりません。
デビットカードは審査なし
デビットカードを作成する上では基本的に審査はありません。
もちろん、クレジットカードで審査が通らない方でも作ることができます。
そもそも「クレジット」という言葉には「信頼」という意味があり、支払いを来月にしても支払ってくれる能力のある人かどうかという信頼性の高さを確かめる為に、審査というものが設けられているのです。
そういった意味では、デビットカードの引き落としは支払いの瞬間にされるため、審査の必要がないのは当然なのかもしれません。
デビットカードの作成方法
デビットカードの作り方は非常にシンプル。以下の書類を準備の上、店舗にて手続きを行えば、おおよそ1〜2週間で手元に届きます。
- ・身分証明書
- ・住所の確認できる書類(必要がない場合も)
- ・印鑑(必要がない場合も)
大手メガバンクに代表される銀行などでは、店舗での手続きはもちろん、web上で手続きを済ませることも可能です。
なお、ネットバンクについては対面による手続きができないため、web上での申し込みのみとなります。
【店舗での手続きが可能な主な銀行】
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
- みずほ銀行
【web上で申し込みをする必要のあるネットバンク】
- ・ジャパンネット銀行
- ・住信SBIネット銀行
- ・楽天銀行
- ・ソニー銀行
- ・イオン銀行
- ・セブン銀行
- ・スルガ銀行
そもそも、デビットカードの取り扱いをしていない銀行もあるので、事前に電話やHPなどで確認しておきましょう。
デビットカードのメリット・デメリットを、『デビットカードを使うメリットはある?デビットカードの持つデメリットと合わせて解説!』の記事で詳しく書いていますので、ぜひ合わせて参考にしてみてください。
デビットカードをお得に使う方法
ここまでご覧いただき、デビットカードの基礎はご理解いただけましたか?続いては、デビットカードのお得な使い方について解説していきます。
確かに全体的にみて機能やメリットはクレジットカードに及ばない部分もありますが、選ぶ銀行やブランドによってはクレジットカードの還元率を超えることもありますし、各銀行が用意しているプログラムなどを上手に使いこなすことができれば、クレジットカードに匹敵するメリットを得ることだって可能なのです。
デビットカードを選ぶ基準
カード選びに限ったことではありませんが、何事も選定基準を設けておかないことには、あっちへウロウロこっちへウロウロしてしまい、なかなか一つに絞ることができません。
そこでまずは、デビットカードを選ぶ基準を明確にしておきましょう。オススメとしては…
- 年会費無料
- ポイント還元率が高い
- ATM出金手数料や振込手数料が安い
以上3点に照準を当てるのが良いでしょう。お得というのは、入ってくるものが大きく(ポイント還元率が高い)、出ていくものが少ない(維持費がかからず、手数料が安い)ということではないでしょうか?
双方において強みのある一枚を選ぶことができれば、あなたは自然と節約体質に導かれることになるのです。
厳密に言えば、年会費無料という基準はほとんどの銀行のデビットカードがクリアしています。
2年目以降は年会費有料というところもありますが、デビットカードを年に1回使用(あるいは一定額使用)すれば無料になるといった具合なので、そこまでハードルも高くなく、気にするほどでもありません。
そうなると、やはりポイントになってくるのが還元率と手数料の二つ。
特に還元率はデビットカードの種類によって大きな差が生じてしまいます。審査のないデビットカードだし、ポイント還元に弱いのは仕方がないか…と諦めるのは早いですよ。
実際に、以下のようなデビットカードを発行すれば、クレジットカードの還元率をも凌駕することができるかもしれません。
楽天銀行のJCBデビットカード
楽天銀行のデビットカードは、3種類のブランドから選ぶことができますが、必ずJCBブランドを選ぶようにしてください。
その理由は以下の表を見ていただければ一瞬で理解できます。
楽天デビットカード
ブランド | 年会費 | 基本ポイント還元率 |
JCB | 無料 | 1% |
VISA | 1,029円 | 0.2% |
VISA(ゴールド) | 3,086円 | 0.5% |
ご覧の通り、年会費・ポイント還元率ともにJCBブランドの圧勝です。ゴールドカードの還元率さえも凌いでしまうJCBブランド、素晴らしいですね。
1%の還元率ですから、その辺のクレジットカードの基本還元率より高いです。すでにお気付きかもしれませんが、デビットカードにおける基本還元率としては、こちらの楽天JCBデビットが圧倒的にトップに躍り出ています。
さて、次に気になるのが手数料。
楽天銀行のデビットカードにはまず、新規口座開設から半年間は、ATM手数料が月5回まで無料という嬉しい特典がついています。
出金手続きを月5回以内にするのはさほど難しいことではないので、ほとんどの方が手数料を支払うことなく、お金を回していけることでしょう。
ポイントとなるのは半年を経過した後です。半年以降に関しては、ATM手数料無料の特典はなくなってしまいますが、それはあくまでもデフォルトでのお話。
実はハッピープログラムというシステムを活用することで、月最大7回まで手数料を無料にすることが可能なのです。
ちなみにハッピープログラムの詳細は以下の通り。コンビニATMにおける出金手数料の表と合わせて確認してみましょう。
ハッピープログラム
ステージ ※1 | ATM手数料無料回数 ※2 | 振込手数料無料回数 ※3 |
ベーシック | 0回 | 0回 |
アドバンスト | 月1回 | 月1回 |
プレミアム | 月2回 | 月2回 |
VIP | 月5回 | 月3回 |
スーパーVIP | 月7回 | 月3回 |
※1 ステージは口座残高や取引状況に応じて決定されます
※2 月30,000円以上の取引であれば常に無料
※3 有料の場合、103円〜258円の振込手数料がかかります
コンビニATMにおける出金手数料
セブンイレブン | 新規口座開設より6ヶ月間:月5回まで無料 以降は216円 ※ |
ローソン | |
ファミリーマート | |
ミニストップ |
※ハッピープログラムの活用によって、月最大7回まで無料
月の無料回数がこれだけあれば、大抵の方は1%のポイント還元を得ながらも、手数料を一切支払うことなくデビットカードを活用することができるのではないでしょうか?
ちなみに楽天JCBデビットはその名にある通り、楽天関連の店舗やサービスとの相性が良く、楽天スーパーポイントを効率よく貯めることができます。普段からこれらの系列店をよく利用されている方は、もう楽天JCBデビットに決まりですね。
ソニー銀行のデビットカード
楽天はあまり活用してないかなぁ…という方は、ソニー銀行のVISAデビットはいかがでしょうか?
なんとこちらは、優遇プログラム Club Sというシステムを活用することで、還元率を最大2%にまで引き上げることができるのです。
デビットカードで還元率2%といえばにわかには信じられない内容ですが、その詳細は以下の通りです。
優遇プログラム Club S(デビットカードを保持している場合)
ステージ | キャッシュバック率 ※ | ATM手数料無料回数 | 振込手数料無料回数 |
なし | 0.5% | 月4回 | 月2回 |
シルバー | 1% | 月4回 | 月4回 |
ゴールド | 1.5% | 月4回 | 月6回 |
プラチナ | 2% | 無制限 | 月11回 |
※キャッシュバックの上限は毎月20万円まで
※Yahoo!かんたん決済、TBオークション利用分については1加盟店あたり最大4万円まで
こちらのプログラムも口座残高や取引状況によって、そのステージが決定されます。
ちなみにここでいうキャッシュバックというのはポイントとは異なり、翌月の25日までに銀行口座に直接戻ってくるお金のことを指します。
わざわざポイントを交換する手間が省ける点は非常に便宜性が高くて良いですね。優遇プログラム Club Sの最低ステージにおいても、手数料無料が複数回設けられている点も見逃せません。
それでは続いて、コンビニATMにおける手数料も確認しておきましょう。
コンビニATMにおける出金手数料
セブンイレブン | 24時間365日、何回でも無料 |
ミニストップ | |
ローソン | 月4回まで無料 5回目以降は108円 |
ファミリーマート |
セブンイレブンかミニストップであれば、無料回数を無視して何度でも引き出しができるので、手数料が取られる心配はなさそうですね。
ちなみにソニーストアでは3%の割引を受けることができるので、その点も合わせて活用できればさらにお得です。
ジャパンネット銀行のデビットカード
Tポイントを普段使いしていて、振込をすることがあまりない…というあなたにピッタリなのがジャパンネット銀行のファミマTカード一体型です。
振込手数料が必ずかかってしまうという点においては、前述の楽天銀行やソニー銀行に遅れを取りますが、そもそも振込をあまりしない方にとってはそんなの関係ありませんよね。そう、ポイント還元率さえ良ければ問題ないわけです。
ジャパンネット銀行のデビットカードには、通常タイプのものと、ファミマTカード一体型のタイプがありますが、ここは迷わず後者を選びましょう。
もちろん理由は、断然ポイントが貯まりやすいからです。特にファミリーマートではその真価を発揮しますので、以下の表を参考にしながら上手にポイントを稼いでいってくださいね。
ファミマTカード特典
曜日 | 特典名 | 内容 |
毎日 | ファミランク | 1ヶ月間のファミリーマートにおける買い物金額に応じ、翌月のショッピングポイントが最大3倍にアップ |
毎日 | Tポイントプラス | ファミリーマートの対象商品の購入時にカードを提示すれば、キャンペーン分のポイントが付与される |
毎日 | 今お得 | 「今お得」ショーカードの商品が特別価格で購入できる |
火曜・土曜 | カードの日 | ファミリーマートでデビット決済すると、ショッピングポイントは3倍、デビットポイントは2倍になる |
水曜 | レディースデー | 女性がカードを提示すれば、支払い方法を問わず、ショッピングポイントが2倍になる |
なお、コンビニATMにおける手数料は以下の通りです。
コンビニATM手数料
セブンイレブン ローソン ファミリーマート ミニストップ | 3万円以上 | 無料 |
3万円未満 | 月1回まで無料 以降は162円 |
手数料をかけないコツは、以下の二点。
- 出金回数を月1度にまとめる
- 2回目以降の出金は、3万円以上の単位で行う
これで一切手数料をかけずにデビットカードを活用できます。たかが1回162円の出費と思っていると、162円の出費に泣く時がくるかもしれませんよ。
デビットカードが使えない所
発行するデビットカードは決まりましたか?
最後に紹介するのは、デビットカードが適用されない支払いについてです。審査がなく、使いすぎの心配もない便利でスマートなデビットカードですが、使えない場面というのも存在します。
そもそもなぜ使用できないのか、そして、具体的にどのような支払いに対して決済できないのかを詳しくみていきましょう。
デビットカードが使えない理由
デビットカードが適用できない理由は非常にシンプル。その店舗やサービスが、即時引き落としに対応していないためです。
実はカードによる決済の場合、即時引き落としに対応している店舗と、そうでない店舗があるのです。
後者の場合は残念ながら、いくら銀行口座に残高が残っていようとデビットカードで決済を行うことはできません。
それでは具体的に、デビットカードの適用ができない支払いや場面を紹介していきます。
デビットカードが使えない場面
「即時引き落としに対応していない店舗」という縛りの他、「毎月継続して発生し得る取引」に対しても基本的にはデビットカードの適用外となります。
代表的なものとして、電気代や水道代、ガス料金などの公共料金や携帯電話(固定電話)料金などがありますが、もう少し幅広くみていくと、案外支払いのできない場面というのは多いようです。
- ツタヤディスカス
- ヤフージャパン
- WiMAX
- エディオンネット
- NTTコミュニケーションズ
- ワイモバイル
- ひかりTV使用料
- SBI損害保険
- 東京海上日動あんしん生命
- 三井住友海上あいおい生命 など
当然この考え方でいくと、ローンを組む必要のある支払いにも使えません。
また、以下に代表される電子マネーについても、デビットカードは対応していないようです。
- Edy
- nanaco
- Smart ICOCA
その他としては、JRAなどの公営競技やtotoなどのスポーツ振興くじ、ガソリンスタンドや高速料金などに対しても使用することはできませんので、注意が必要です。
使えない区分に関しては、デビットカードの発行元銀行やブランドによっても異なってくるため、事前に確認した上での発行が望ましいでしょう。
支払い適用枠を広げている銀行もある
ここまで紹介してきた支払いの場面においては、基本的にデビットカードの決済は適用できません。
ただし、主要なメガバンクで言えば三菱東京UFJ銀行、ネットバンクでは楽天銀行やソニー銀行、ジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行などがこうした支払いにも徐々に対応してきているという状況です。
もちろん、現金で支払うよりはデビットカードを通した方がポイントも還元されるため、支払い適用枠が広いに越したことはありません。
特に公共料金については誰しもが毎月必ず支払うものなので、ここに対応しているか否かで、年間を通じてのポイント獲得額は大きく差がつくと認識しておきましょう。
デビットカードの作り方については、『デビットカードの作り方を解説!審査不要で便利なデビットカードを作る方法』の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて参考にしてみてくださいね。
まとめ
デビットカードと聞くと、クレジットカードと比較して享受できるメリットが大幅に減るイメージがありますが、選択するカードと活用方法にさえ気をつけていれば、メリットの不足分を補うことも十分に可能です。
むしろ、ついついクレジットカードを切りすぎる傾向がある方にとっては、多少のメリット減を無視してでもクレジットカードを卒業し、デビットカード一本に絞る価値があるのではないでしょうか?
後日払いではなく、すべての支払いを前倒しにしただけで、一気に節約体質になれるのは間違いありません。あなたも是非一度、デビットカードを試してみてくださいね。